みなさま、こんにちは。 ドイツ、ベルリン在住のフォトグラファー、Yukoです。いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
本日のテーマは“【ベルリン子連れ移動】エレベーター故障は日常茶飯事。不便さを救う『広い道』と『人の温かさ』”です。
赤ちゃんが生まれてから、私のベルリンでの移動手段は、身軽な「自分の足」と「カメラ」から、大きく重たい「ベビーカー(Kinderwagen)」へと変わりました。 被写体として見れば、陰影が美しく歴史を感じさせるベルリンの街並み。いざ「母」としてその中に飛び込んでみると、そこには東京とは違う**「広々とした快適さ」と、困難を助けてくれる「ベルリンらしい優しさ」**がたくさん待っていました。
今日は、公共交通機関(BVG)での移動を通じて感じた、ハード面とソフト面のリアルをお伝えします。
ベルリンの道は、広くてベビーカーに優しい
まず、実際に街を歩いてみて驚いたのは、その「道幅の広さ」です。
「ベルリンは石畳が多くて大変そう」というイメージを持たれることもありますが、実際に生活してみると、石畳なのは古い歴史地区など一部のエリアだけ。 多くの歩道はきれいに舗装されており、とにかく道幅が広いのです!
大きなベビーカーを押していても、誰の邪魔をすることもなく、ゆったりと自分のペースで散歩ができます。 ドイツ製のベビーカーがタイヤが大きくしっかりした作りなのは、悪路を耐えるためというよりも、この広大な街をどこまでも快適に歩いていくための「クルーザー」のような役割だからなのかもしれません。この開放感は、ベルリン子育ての大きな魅力の一つです。
ただ、地上は天国でも、地下鉄(U-Bahn)や都市近郊鉄道(S-Bahn)の事情は少し違います。 アプリで「エレベーター(Aufzug)あり」と確認して駅に向かっても、到着してみると**「故障中」**である確率が驚くほど高いのです。
しかも、やっと乗れたエレベーターの中は、壁一面がカラフルなグラフィティ(落書き)で埋め尽くされていたり、ガラスに蜘蛛の巣のような大きなヒビが入っていたりすることも日常茶飯事。薄暗い照明と相まって、「ああ、やっぱりこの街で子育てをするのはサバイバルなんだ」と、最初は階段の前で立ち尽くしてしまうこともありました。
老若男女問わず、自然と差し伸べられる手
しかし、そんな少し絶望的な状況でこそ、ベルリンの本当の魅力が光ります。
エレベーターが壊れた駅の階段前で途方に暮れていると、ここでは本当に**「老若男女問わず」**誰かが必ず助けてくれるのです。 力のある男性はもちろん、女性の方も、学生さんも、みなさん積極的に「一緒に持ちますよ」とベビーカーの片側を持ってくれます。
時にはこんなこともありました。 ご自身も杖をついているようなお年を召したご婦人が、階段の下から「あら、大変!」と気づいてくださり、近くを通りかかった若者に「ほら、あなた!彼女を助けてあげなさい!」と指揮を執ってくれるのです(笑)。
そうして集まった即席のチームでベビーカーを運び上げ、「Danke!(ありがとう)」「Bitte!(どういたしまして)」と笑顔で解散する。
「手伝いましょうか?」という丁寧な言葉よりも先に、自然と手が伸びてくる。 そして手伝い終わると、風のように去っていく。
この「困った時はお互い様」という精神が、この街の人々の根底には流れているのだと感じます。見返りを求めない、生活の一部としての親切がここにはあります。
バスとトラムは「ベビーカー天国」
人の優しさだけでなく、システム的に素晴らしい部分もあります。特にバスとトラム(路面電車)は、まさに「ベビーカー天国」です。
もちろん、電車(S-BahnやU-Bahn)にもベビーカー優先スペースはしっかり用意されています。 しかし、バスやトラムが「天国」である最大の理由は、「階段やエレベーターを使わずに乗り場へ行けること」。これに尽きます。
地下鉄に乗るために「エレベーター動いてるかな…?」とドキドキしながら地下へ潜る必要がありません。 地上の停留所から、そのまま段差なしで(あるいはスロープで)車内へスライドインできる。この「高低差のない移動」が、どれだけ精神的に楽か…!
さらに、ベルリンのバスやトラムには、「巨大な多目的スペース」が確保されています。 日本のバスだとベビーカーを畳む必要がある場面もありますが、こちらではベビーカーが2〜3台、時には車椅子と一緒に余裕で停められる広さがあります。
乗る時は、ドアにある「青いボタン(ベビーカーマーク)」を押せば、運転手さんがドアを長く開けて待っていてくれます。 そして車内でも、ベビーカーが乗り込んでくると、そのスペースに立っていた人たちがサッと場所を空けてくれるのが当たり前の光景。
「ベビーカーだから場所を取って申し訳ない、肩身が狭い…」と感じることは、圧倒的に少ないと感じます。社会全体で「子供は社会で育てるもの」という空気感が共有されているのかもしれません。
アプリ「BVG Muva」と「BVG Tickets」は必須アイテム
エレベーターの故障はできれば避けたいものですが、万が一遭遇してしまった時の強い味方が「BVG Muva」です。
このアプリはオンデマンド交通サービスなのですが、特に子連れにとって画期的なのが「エレベーター代替(Aufzugersatz)」機能。U-BahnやS-Bahnの一部区間でエレベーターが故障や工事で使用できない時、なんとアプリで配車を依頼して、近隣のバリアフリー駅まで車で送迎してくれるサービスがあるのです(対象エリアや条件はありますが、心の安定剤になります!)。
そして、移動の必需品といえば切符ですが、ベビーカーから手を離して券売機に並ぶのは至難の業。小銭を探して焦ることもありますよね。 そこで活躍するのが「BVG Tickets」。
スマホでサッと切符が買えるので、券売機を探す必要も、小銭を用意する必要もありません。 この2つのアプリをスマートフォンに入れておけば、ベルリンでのベビーカー移動はもっと心強く、スマートになります。
今日のドイツ語
- der Kinderwagen(デア キンダーヴァーゲン):ベビーカー
- das Kopfsteinpflaster(ダス コプフシュタインプフラスタ):石畳
- der Aufzug(デア アウフツーク):エレベーター
- Barrierefrei(バリアフライ):バリアフリー ※形容詞
- Zusammen?:一緒に?
- Danke / Bitte(ダンケ / ビッテ):ありがとう / どういたしまして
まとめ
ベルリンで子連れになって見えたのは、「困っている人がいれば、当たり前に助ける」という、社会に根付いた成熟した精神でした。
エレベーターが動かなくても、道が少しガタガタでも、ここには『助け合う手』があります。 ハード面の不便さを、人々の優しさというソフト面が埋めていく。そんな人間味あふれるベルリンの日常が、私は大好きです。
もし駅の階段で立ち止まっているママやパパを見かけたら、私も手を差し伸べられるようになりたいと思います。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。 参考になれば嬉しいです。
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