みなさま、こんにちは。 ドイツ、ベルリン在住のフォトグラファー、Yukoです。いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
本日のテーマは“【ドイツ滞在許可】私が「EU長期滞在許可」を取得!そのとき子供の滞在許可はどうなる?(最強の「33条」とは)”です。
ドイツで生活を続けていると、一つの大きな節目となるのが「無期限の滞在許可」の取得ではないでしょうか。私事ですが、近年の一つの目標であった「EU長期滞在許可(Erlaubnis zum Daueraufenthalt-EU」を先日ついに取得しました。
これまでの9年間の歩みを思い出し、ふと肩の荷が下りるような感覚がありました。
しかし、そこで気になるのが「一緒に暮らす子供たちの滞在許可はどうなるの?」という問題です。今回は、私の実体験と法律の条文を確認して分かった、子供の法的ステータスについて詳しくシェアしたいと思います。
子供のカードにある「33 S. 2」の意味
親が「EU長期滞在許可」などの強力なステータスに変更した際、お手持ちのカードの裏面などを、よく見てみてください。
そこに、ひっそりと**「33 S. 2」**という記載があれば、それは非常に心強いニュースです。
実際のカードには「§(パラグラフ)」という記号はついていませんが、これは 滞在法第33条 (AufenthG § 33 / アウフェントハルト・ゲゼッツ:滞在法) を指しています。通常、家族の呼び寄せで発行される滞在許可は 32(第32条)ですが、この 33 は「ドイツ国内で生まれた子供」に適用される特別な条文です。
さらに、Satz 2(ザッツ・ツヴァイ:第2文) を意味する「S. 2」がついている場合、法律上は以下のような意味を持ちます。
「子供が生まれた時点で、親のどちらかがすでに無期限滞在許可証(またはEU長期滞在許可)を持っていた場合、子供には滞在許可を受け取る『法的請求権』がある」
つまり、外国人局(Ausländerbehörde / アウスレンダーべヘルデ)の担当者の裁量ではなく、「もらう権利がある」という非常に強力なステータスとして守られているのです。
親に「紐づいている」のか?
結論から言うと、この段階ではまだ親のステータスに**「紐づいて」**います。
33 S. 2(第33条2文)の考え方は、「親が強力な権利を持っているから、その子供にも同様の権利を認めましょう」というもの。そのため、土台となっているのは親のステータスです。
しかし、これは決してネガティブなことではありません。 親である私が「Daueraufenthalt-EU(無期限の許可)」を持っている限り、子供の滞在許可も実質的に無期限滞在許可証に近い安定性で守られます。カードの有効期限も、親の滞在許可の期限に左右されることなく、子供自身のパスポートの有効期限いっぱいまで発行されることが多いのも大きなメリットです。
両親のどちらに紐づく?
共働きだったり、夫婦でステータスが異なったりする場合、「どちらの親に従うの?」と疑問に思うかもしれませんね。
両親が同居している場合、法律上は「両方の親」に紐づくことになります。 ただ、実務上の手続きでは「より条件の良い滞在許可証を持っている親」がメインのアンカー(拠り所)として扱われます。
例えば、今回の我が家のように「私(母)が無期限滞在許可証を持っていて、夫(父)はこれから」というケース。この場合、子供はすでに最強ステータスである私に紐づいて保護されているため、夫が後から取得したとしても、慌てて子供の手続きをやり直す必要はありません。
いつ「独立」するの?(ゴールは16歳)
今は親の背中に守られている子供たちの滞在許可ですが、いつか完全に独立した「自分自身の無期限滞在許可証」になる時が来ます。その大きな節目が**「16歳」**です。
以下の条件を満たしていれば、16歳を過ぎるタイミングで、親から卒業した独自のステータスへ自然に切り替わります。
- 16歳になったとき
- ドイツに5年以上滞在していること
ドイツで生まれ育っているお子さんであれば、16歳の誕生日に**「35 Niederlassungserlaubnis(第35条:定住許可 / ニーダーラッスングス・エアラウプニス)」**という、独立した個人の無期限滞在許可証を手にする権利が確定します。
なぜ「第35条」なのか?(親の許可との違い)
「親と同じEU長期滞在許可(第9a条)ではないの?」と思われるかもしれませんが、実はここに、ドイツの法律の優しさがあります。
- 第35条 (Niederlassungserlaubnis):ドイツで5年以上滞在し、16歳になった子供に与えられる「国内の」無期限滞在許可。学生などでまだ収入がなく、自分で年金保険料を払っていなくても取得できる、子供向けの緩和されたルートです。
- 第9a条 (Daueraufenthalt-EU):私が今回取得したこちら。一般的には「5年間の年金支払い」や「自立した生計」などの厳しい条件が必要になります。
つまり、16歳のお子さんの場合、まずは条件のやさしい「第35条」で自分自身の無期限ステータスを確定させるのが一般的。これは、ドイツで育った子供たちへの特別なギフトのようなものです。名実ともに、親の手を離れて子供自身の力でドイツに根を張る「独立した一歩」の証ですね。
無期限なら、移し替え(Übertrag)は「Bürgeramt」でOK!
これまでは何かあるたびに、予約がなかなか取れない「外国人局(LEA)」へ行かなければなりませんでした。
しかし、今回のような無期限滞在許可証が確定してしまえば、パスポート更新時の手続きが劇的に楽になります。
新旧パスポートの間で滞在許可の情報を移し替える手続きを**「Übertrag(ウーバートラーク)」と言いますが、無期限のステータス保持者であれば、これを近所のBürgeramt(ビュルガーアムト / 区役所・市民役場)で行うことができるようになります。
わざわざ遠くの外国人局まで行かず、身近な役所で「情報の移し替え」だけで済むのは、子育て世代には本当にありがたいですよね。
※注意:期限付きの滞在許可は引き続き「外国人局」へ
ここで一点、混同しやすい大切な注意点があります。
フリーランスの滞在許可や就労の滞在許可、またそれに紐づいているお子さんの滞在許可証など、いわゆる「期限付き」のステータスをお持ちの場合は、引き続き**「更新(Verlängerung / フェアランゲルング)」**という扱いになります。
この「更新」の場合は、内容の審査が必要になるため、これまで通り予約を取って**外国人局(LEA)**へ行く必要があります。あくまで「Bürgeramtでできるのは、無期限ステータスの引き継ぎ(Übertrag)のみ」という点に気をつけてくださいね。
まとめ
親が「EU長期滞在許可」を手に入れることは、家族全員の生活に大きな安心感をもたらしてくれます。
- 子供も「33 S. 2」という最強クラスの保護を受けられる。
- 現在は親に紐づいているが、法的地位は非常に安定している。
- 16歳になったら、**第35条に基づく「子供自身の無期限滞在許可証」**へと独立する。
- 無期限のステータスになれば、パスポート更新時の引き継ぎ(Übertrag)は近所のBürgeramtで可能になる。
滞在許可の手続きはいつも緊張するものですが、こうした仕組みを知っておくだけで、少しだけ心に余裕が持てる気がします。
同じようにドイツで子育てをしながら、滞在許可の更新や申請を迎える方の参考になれば幸いです。
【関連記事】
親の「EU長期滞在許可」取得までの道のりや、必要な書類などについてはこちらの記事に詳しくまとめています。あわせて参考にしてくださいね。
EU長期滞在許可(Erlaubnis zum Daueraufenthalt-EU)を取得しました!
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