みなさま、こんにちは。 ドイツ、ベルリン在住のフォトグラファー、Yuko.N.Sです。いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
本日のテーマは“【ドイツで出産】産後の事務手続きロードマップ:日本に出生届提出から滞在許可証取得まで”です。
赤ちゃんが生まれてからの毎日は、休む間もなく慌ただしく過ぎていきますよね。そんな中で待ったなしにやってくるのが、数々の「事務手続き」です。 今回は、Elterngeld(両親手当)やKindergeld(児童手当)といったお金の話ではなく、赤ちゃんが「一人の人間」として社会に登録されるための、身分証明に関する手続きについて、私の体験メモをもとにまとめました。
スタートは「Geburtsurkunde(出生証明書)」が届いてから
ドイツの役所や産院内にあるStandesamt(戸籍役場)へGeburtsanmeldung(出生届)を提出後、しばらくすると手元にGeburtsurkunde(出生証明書)が届きます。 この書類が届いたら、いよいよ各種手続きのスタートですが、ここで一つ大きな注意点があります。
【重要】Geburtsurkunde(出生証明書)は「追加」で申し込んでおくこと!
出生証明書が発行される際、以下の3種類(各1枚)は、手当の申請用として基本的に必ず発行されます。 用紙の上部などに、以下の用途がドイツ語で明記されています。
- Zur Beantragung von Elterngeld(両親手当申請用)
- Zur Beantragung von Kindergeld(児童手当申請用)
- Gilt nur für die Hilfe bei Schwangerschaft und Mutterschaft(出産手当/保険用)
これらはそれぞれの申請時に原本を提出する必要があります(基本的に返却されません)。
つまり、この3枚だけでは日本の出生届やパスポート申請に使う分が足りないのです。 そのため、Geburtsanmeldungの手続きをする際に、これらとは別に**「自分用(用途記載なし)」のGeburtsurkunde(出生証明書)をあらかじめ必要枚数分、追加で(有料ですが)申し込んでおく**必要があります。
日本の手続き用と予備を含めて、2〜3枚余分に申請しておくと安心です。
日本への出生届:ここが一番の山場!
無事に「追加分のGeburtsurkunde(出生証明書)」を手に入れたら、日本の戸籍に登録するために「出生届」を出します。 必要書類を揃えたら、大使館の窓口へ提出するか、あるいは日本の家族にお願いして日本の役所に出してもらうことも可能です。
書類作成で私が特に迷ったポイントや、具体的な記入内容をシェアします。ここが最も重要な手続きですので、一つずつ確認していきましょう。
【重要】出生届の書き方ポイント
パソコンで入力作成が可能ですが、署名だけは必ず直筆で行います。以下の3つの欄の書き方に注意してください。
- 「日本国籍を留保する」の欄
私のケースでは、ここは「無記入」で提出しました。 - 「その他」の欄
ここには、以下の定型文を記載する必要があります。一字一句間違えないように入力しましょう。「ベルリン市xxx区戸籍局発行の出生証明書添付。子の出生時間は母親の供述による」 ※「xxx区」のところは、Geburtsanmeldung(出生届)の手続きをしたBezirk(エリア)を書いてくださいね。 - 欄外
何かあった時のために、連絡先電話番号とメールアドレスを忘れずに記入します。
その他の提出書類
- Geburtsurkunde(出生証明書)の原本
※先ほど説明した「追加で発行してもらった分」を使います。 - Geburtsurkunde(出生証明書)の和訳文
フォーマットは在ドイツ日本国籍大使館(領事部)のホームページ等からダウンロードできます。出生届・出生証明書(訳文)のダウンロードはこちら - 産院情報
病院のホームページのスクリーンショットなど(所在地などがわかるもの)。 - 申述書(しんじゅつしょ)
決まったフォーマットはありませんが、母親の情報(氏名、本籍、現住所、生年月日)に加え、出生時間の証明文を書きます。
申述書の書き方(例)
「私の長女『山田花子』の生まれた時刻は『2025年X月X日午前9時00分』(ドイツ時間)である事を申し述べます。」 ※お名前や時間は実際の内容に合わせて書き換えてくださいね。
日本のパスポートを作る
出生届が無事に受理され、戸籍に反映されたら、次はパスポートです。 これがないと、ドイツの滞在許可証も申請できませんし、もちろん日本への一時帰国もできません。
- 必要なもの:
- 新しい戸籍謄本の写し、または「戸籍電子証明書提出用識別符号」
- 証明写真
- 期間:
- 申請から仕上がりまで約4週間前後
生まれたばかりの我が子の顔写真、うまく撮るのはプロでも至難の業ですが、白いシーツの上などで自然光を使って撮ると綺麗に仕上がりますよ。
ドイツの滞在許可証(Aufenthaltstitel)
パスポートが無事に手元に届いたら、いよいよドイツに住むための許可証の手続きです。 ベルリンの場合、両親のビザの状況など一定の条件を満たせば、移民局(LEA)まで行かずとも、お近くのBürgeramt(市民局)で手続きができる場合があります。
以下の公式ページで条件を確認し、ドイツで生まれた子どものための滞在許可証発行(Aufenthaltserlaubnis für im Bundesgebiet geborene Kinder)の予約を取りましょう。
- 詳細・予約ページ(Berlin.de): Aufenthaltserlaubnis für im Bundesgebiet geborene Kinder beantragen
当日の持ち物(必要書類)
予約当日は、以下の書類を忘れずに持参しましょう。
- Geburtsurkunde(出生証明書)
「自分用(用途記載なし)」のGeburtsurkunde(出生証明書) - 子どものパスポート
- 両親のパスポート
- 両親の滞在許可証
- 子どもの顔写真(QRコード付きなどバイオメトリック対応のもの)
- 赤ちゃんの証明写真、目を開けて正面を向くのは至難の業ですよね。これについては、別記事で詳しくまとめています。ぜひ合わせてご覧ください。
【保存版】ドイツ滞在許可証の申請写真がデジタル転送に!赤ちゃん・子供連れでも安心なQRコード対応スタジオ&撮影場所まとめ]
- 赤ちゃんの証明写真、目を開けて正面を向くのは至難の業ですよね。これについては、別記事で詳しくまとめています。ぜひ合わせてご覧ください。
- 期間: 書類提出から滞在許可証が発行されるまで約6週間ほどかかります。
パスポートの4週間と合わせて、トータルで数ヶ月かかる計算になります。日本への里帰りなどを計画している方は、このスケジュール感を頭に入れておくと安心です。
Mutterschaftsgeld(出産手当)の事後申請
最後に、お金の手続きも忘れずに。 出産前に申請したものとは別に、生まれた後に支払われる分のMutterschaftsgeldの申請も必要です。
この申請には、最初に必ずもらえる3枚のGeburtsurkunde(出生証明書)のうち、**「Gilt nur für die Hilfe bei Schwangerschaft und Mutterschaft」**と記載されたGeburtsurkunde(出生証明書)の原本が必要です。 ElterngeldやKindergeldと同様、専用の証明書を提出することになりますので、間違えないように準備しましょう。
今日のドイツ語
- die Geburtsurkunde(ディ ゲブルツウアクンデ) 意味:出生証明書 ドイツの出生証明書は、日本のものとは違ってA4サイズの少し厚みのある紙で発行されます。デザインもシンプルながらクラシックで美しく、手にした瞬間に「ああ、ドイツで生まれたんだなあ」と実感が湧いてくる特別な一枚です。
- die Beantragung(ディ ベアントラーグング) 意味:申請 「Zur Beantragung von…(〜の申請のために)」というフレーズで、書類のタイトルによく登場します。ドイツ生活では避けて通れない言葉ですが、一つずつクリアしていけば大丈夫です。
- gelten(ゲルテン) 意味:有効である、適用される 出生証明書に「Gilt nur für…(〜にのみ有効)」と書かれていたら要注意。その目的以外には使えない(原本を提出してしまう)という意味なので、書類の隅々までチェックしてみてくださいね。
まとめ
以上、出産後に必要となる主な行政手続きについてまとめました。
- Geburtsurkunde(出生証明書)は必ず「追加分」を申し込む (用途記載のある3枚は手当申請で消えてしまいます!)
- 出生届 (「その他」欄の記述を忘れずに!)
- パスポート申請 (戸籍電子証明書提出用識別符号などを準備。約4週間)
- 滞在許可証申請 (必要書類を揃えて予約。約6週間)
慣れないドイツ語の書類や、日本の役所特有の決まりごとなど、頭を悩ませることも多いかもしれません。でも、一つ一つクリアしていくごとに、お子さんが社会の一員として認められていく過程でもあります。
手続きの合間にふと横を見ると、すやすや眠る赤ちゃんの顔。 その寝顔に癒やされながら、無理せず少しずつ進めていってくださいね。この記事が、どなたかの参考になれば嬉しいです。
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