ドイツで出生前診断〜妊娠13週目・NT検査編〜
- 2021.09.27
- Schwangerschaft / 妊娠

「出生前診断(Pränataldiagnostik)」とは?ドイツで出生前診断を受ける場合、産婦人科ではなく出生前診断の専門医で行います。今回は超音波検査によるNT検査の内容をご紹介します。
みなさま、こんにちは。フォトグラファーのYuko.N.Sです。
本日のテーマは“ドイツで出生前診断〜妊娠13週目・NT検査編〜”です。
NT Messung(NT検査)とは?
NT Messung(NT検査)とは、Nackentransparenzmessung(首の透明性の測定)の略です。
日本語でもNT検査とインターネットで調べると出てきますが、簡単に説明すると、超音波で赤ちゃんを観察した際に確認できる首の後ろのむくみ(浮腫)=NTを測定する検査のことです。 NTは、正常な赤ちゃんにも見られますが、NTが厚くなると、染色体異常、心臓病、腎臓病などのリスクが高くなると考えられているようです。厚みによって赤ちゃんがダウン症や18トリソミー・13トリソミーに罹患しているリスク・確率を算出することができるようです。
Gynäkologie(婦人科)の先生からNT Messungの説明を受けた際は、検査に対して強くおすすめすることもなく(「こんなのもあるよ〜」程度でした)、正直受けなくてもいいかな、と当初は考えていました。しかし、自宅で夫とNT Messungの件について調べたところ、簡単に検査をすることができ、かつ母体に負担のかからないことが分かったので受けてみることに決めました。
病院紹介 〜 オンライン予約と当日の健診 〜
私たちが行ったPränataldiagnostik(出生前診断)の専門医はこちらです。
同時期に出産予定のお友達もNT Messungを受けたと聞き、上記の病院を紹介してもらいました。清潔感があり、とても綺麗な病院でした。座り心地の良い椅子なので腰やお尻の負担もなく、リラックスできる待合室でした。
いつ予約すればいいの?
出生前診断と言っても様々な種類があるようで、時期によって検査する内容が異なります。まず、検査すべき時期・項目を確認しましょう。病院のサイト内にある「Terminrechner」で簡単にチェックすることができますよ!こちらに出産予定日を入力するだけで、どの検査をいつ行うべきか、スケジュールを提示してくれるので大変便利です。
また、こちらの病院はオンライン予約が可能なので、上記スケジュールで確認後、速やかに予約しましょう!結構予約が埋まっているので、NT Messungを受けたい意思が強い方は妊娠が分かった時点ですぐにご自身の予約をしてもいいかもしれません。
当日の健診
病院に到着!てんやわんやで問診票を記入
健診当日。エレベーターを出ると、なんと入り口がふたつ!先生によって入り口が異なっているのでご注意を!!自分が予約した先生の名前を確認し、受付へ。
コロナ禍の現在、付き添いの方は、ワクチンパスポートまたは当日のネガティブ検査を提示しなければならないのでご注意ください(妊婦さんの提示義務はありません)。
初診ですのでここでも問診票の記入を行います。Gynäkologieの問診票より記入する欄が多く、特殊な単語もたっっっっっっくさんあったため、かなり大変でした、、、。夫とてんやわんやしているうちに名前を呼ばれてしまい、先生から「こことここだけとりあえすチェックして!」と最終的に2枚の紙に記入(その2枚の内容は、検査内容を理解した / もし胎児にダウン症のリスクがあった場合はどうするか / この検査結果をGynäkologieのドクターにも知らせたいか等)。この病院の場合、予約時間=診察開始時間という感じでした。その前に受付や問診票の記入をするためには、少なくても30分前に病院へ到着することをおすすめします。大切な検査になるのでゆっくり焦らず、丁寧に問診票を読み、記入しましょう。
NT検査の説明を受ける
NT検査でどこを見るのか、何が分かるのかの説明を受けました。今回は首の後ろのむくみが何ミリか測定することでダウン症やその他の病気・異常の有無の検査をメインに、胎児の大きさなどの精密検査になります。病院のHPには、「NT検査を受ける際に希望をすれば血清マーカーもセットで受けることができ、より精度の高い検査結果を得られる」と書かれました。そのため、私たちは血清マーカーの検査も希望しましたが、現段階ではNT検査だけで良い、と先生から説明を受けたため、NT検査のみ受診しました。
検査開始!
Gynäkologieでは経膣エコーでしたが、ここでは初めて経腹エコーでした!少しひんやりしたジェルをお腹に塗られ、エコーが始まります。健診のたびに我が子を見れる幸せを感じながらも成長の早さにいつも驚かされるのですが、この日は緊張感がありました。結果的に首のくぼみ、頭の大きさ、その他問題はなさそうで「Alles in Ordunung」(順調だよ)と先生に言われ安堵しました。心臓の動脈と静脈の動きを見れたり、今回初めて心臓の音も聞くことができ、感動しました。
場合によってはこの検査で性別も分かるそうです(経験豊かな先生だと、骨格で性別が分かってしまうんだとか!!)。私たちの場合は、残念ながらこの時点で性別は分かりませんでした。
エコー後は測定結果をまとめた検査結果を渡され、13トリソミー / 18トリソミー / 21トリソミーのリスクや確率のほか、様々な情報をひとつひとつ説明していただきました。今回はBefund(診断結果)に書かれた略字の説明をしたいと思います!
・Herzfrequenz
心拍数
・SSL
胎児の頭から尻までの長さ(足はこの測定から除外)
・NT
胎児の首の部分の頚椎の上にある皮膚と軟部組織の間にある、皮下にある液体の蓄積(水腫)のこと。
・Nasenbein
鼻骨測定。鼻があまりにも低かったり、奇形が見れるとダウン症の可能性があるようです。
頭囲(KU)は、胎児の頭を1周して測定して測定したもの。
胸部の気管
心臓の気管
大腿骨
上記の他にもたくさんの診断結果や専門用語が記載されていますが、こちらでは割愛させていただきます。
これで終了かなっと思いきや、NT検査はFeindiagnostik(精密検査)とセットで受診するものらしく、次の健診の予約もしました。Feindiagnostikでは、手足を含めた臓器の精密検査になります。診察室から予約までの所要時間はおよそ25分程度でした。検査後はメールでエコー写真と動画も送ってくれますよ!
最後に、、、私たちがNT検査を受けた理由
備えあれば憂いなし!事前準備と心構えのために。
母体・胎児に負担がかからない検査であれば、我が子に何かしらの病気があったケースを考えて、生まれる前から様々な準備をしたいと考えた結果、私たちは出生前診断を受けることを決めました。
たとえば出産する産院を選択するとき、小さくサービスが行き届いている病院にするか、もしくは生まれてからすぐに様々な治療を受けれる大学病院にするか、また、ドイツ国内の福祉サービスや幼稚園のリサーチなど、NT検査を行うことで出産前に準備できますし、心構えもできます。
言語の違いで苦労することもありますが、やっぱり専門医から直接情報を聞くことが大切
検査の予約してから検査当日までは毎日インターネットで情報収集をしました。当たり前のことですが本当に様々な情報があり、それは大変ありがたい反面、不安に感じてしまったり。検査前日は緊張して眠れませんでした。
母国語以外で精密検査を受けることは正直大変です。自分の身体ではなく、お腹の赤ちゃんのことなので尚更不安でした。しかし、先生から直接、胎児に関する様々な情報を聞くことができてとても安心し、同時に専門家や先生から直接情報を聞く、という行為の大切さを改めて感じた経験となりました。
今日のドイツ語
-e, Messung(-en) | 測定 |
-r, Nacken (-) | 首筋、うなじ |
-e, Diagnostik(-) | 診断 |
-r, Rechner(-) | 計算機 |
-r, Befund (-e) | 診断結果 |
-s, Herz(-en) | 心臓 |
-e, Nase(-n) | 鼻 |
-r, Kopf(Köpfen) | 頭 |
-e, Umfang (Umfänge) | 周囲の長さ |
fein | 細かい、繊細な |
いかがでしたでしょうか?
次回の「Schwangerschaft / 妊娠」カテゴリーでは、Hebamme (ヘバメ) / 助産師さん探しの内容をご紹介いたします。本日もご愛読、ありがとうございました。
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