ドイツの助産師さん〜子育てのプロ・ヘバメ(Hebamme)の自宅訪問〜
- 2023.03.17
- Schwangerschaft / 妊娠

妊娠35週の時にHebamme(助産師さん)が自宅へ来てくれました。
みなさま、こんにちは。
ドイツ、ベルリン在住のフォトグラファー、Yuko.N.Sです。
いつもブログを読んだくださり、ありがとうございます。
本日のテーマは“ドイツの助産師さん〜子育てのプロ・ヘバメ(Hebamme)の自宅訪問〜”です。
Hebammeとのインタビューから数ヶ月後、自宅訪問をしてくれます。このときに出産に関する話や、ベビーグッズの購入、部屋の間取りなど、さまざまなアドバイスをしてくれます。
本来でしたら、出産前コースなど開講されるようですがコロナ真っ只中だったため、今回は参加することができませんでした。
出産時のアドバイス
まずは出産に関する説明や質問、いまの状況のことなど話しました。
その中でも、特に興味深かった話を今回ご紹介したいと思います。
便秘にはFlohsamenschalenとgeschrotete Leinsamen!
妊娠中に悩まれる方が多い便秘。これまでGynäkoloigeで鉄分(Eisen Tablette)を処方してもらったり、水分をたくさん飲む(1日2.5リットル!)など便秘対策をしてきましたが良い効果が見られませんでした。そこでHebammeに相談したところ、Flohsamenschalenとgeschrotete Leinsamenを教えてもらいました。
Flohsamenschalenとは?
Flohsamenschalenとは穀物の殻のことです。腸内で膨張して便の量を増やすので、便秘に効果があるようです。また、全粒のサイリウムよりも膨潤作用が強く、消化をさらに促進させる効果が期待できるようです。
これをMüsliと混ぜて牛乳で食べます。Flohsamenschalenは水分と混ざると膨張するので、ティースプーン1杯でいつもより多めの牛乳を入れてください。dmやAlnatureで購入できます。
geschrotete Leinsamenとは?
geschrotete Leinsamenとは亜麻仁のことです。亜麻仁に含まれる粘液が炎症や便秘を改善し、体内で膨張して消化を促すそうです。亜麻仁は、全粒粉よりも挽いたもの(geschrotete,原形schrotten)の方が効果が高いとも言われています。
Flohsamenschalenと同様に、Müsliと一緒に牛乳で食べます。こちらもdmやAlnatureで購入できます。
効果はどうだった?
ゆっくりですが、便秘気味だったお通じが解消されていきました。また、Flohsamenschalenはお腹で膨らみ腹持ちもするのでMüsliと食べる場合は本当に少量でいいと思います。
Positiv Denkenで陣痛を和らげる
陣痛は痛い、その上規則的(もしくは不規則)で何度も来て、怖いですよね。PDAをすぐに打ってもらえなかったらどうしよう、という不安もあり、陣痛を和らげる方法はないかHebammeに聞いてみました。
するといただいた返答は「Positiv Denkenで陣痛を和らげる」というものでした。不安な気持ちは一旦置いといて、ポジティブなことだけを考える。ポジティブなことに集中すると脳内にホルモンが出て、痛みが和らぐ、とアドバイスを受けました。
そこで出産時、iPadに「愛猫フォルダー」を作り、陣痛が来るたびにかわいい猫たちの写真を眺めました。多少は?効果があったと思います(幸い、病院に到着してすぐにPDAを打ってもらえました、、、!!)。
出産後はHaut zu Haut Kontaktで肌のふれあいと黄金の“一滴”以外飲ませない
Die erste Milch(Kolostrum) ist Golden Treasure
私たちのHebammeは母乳育児を推奨し、母乳に関する様々な資料や、ぬいぐるみのミニおっぱいを使って丁寧に授乳の方法を教えてくれました。
中でも声を大にして言っていたことは「Die erste Milch(Kolostrum) ist Golden Treasure(最初の母乳はゴールデントレジャーである)」。ここでは医学的な言及は避けますが、出産後、赤ちゃんがお母さんの乳首に口をつけることにより、授乳を生成するホルモンが脳に働きかけるようです。生まれたばかりの赤ちゃんの胃はアーモンドくらいの大きさのため、一度にたくさん飲むことができません。無理にたくさん飲ませようとせず、赤ちゃんと2人でお互いの需要と供給のバランスを探りにながらゆっくり前へ進むことが大切と言っていました(そのためにはFlasch(哺乳瓶)や乳首カバーの使用はNG)。
Haut zu Haut Kontaktとは?
Haut zu Haut Kontaktとはスキンシップ、またはカンガルー法のことで、母親が裸の赤ちゃんを服の上から胸の間に入れることでよく知られている行為です。
Hebammeの説明では、母親(もしくは父親)と赤ちゃんの肌が直接触れた方がベストと言っていました。ベッドで裸の大人のお腹や胸元あたりに裸の赤ちゃんを優しく抱きかかえ、寒くないようにガーゼが掛け布団をかけて、2人ともリラックスしながらスキンシップを取るようアドバイスを受けました。
実際に出産後、軽く身体を拭かれた赤ちゃんを私の胸元で直接肌が触れるように抱きかかえ、1時間から2時間ほど分娩台の上で過ごしました。出産の疲れが吹き飛ぶ穏やかな時間でした。
退院後も夫と1日1時間づつHaut zu Haut Kontaktをしました。
長期戦に備えて軽食を持参する
チョコレートやナッツ、バナナなどのすぐにエネルギーになるものを持っていくようアドバイスを受けました。出産する女性も付き添うパートナーも体力勝負なので、2人分持っていきましょう。
私たちはスナック以外におにぎりを持っていきました。
ベビーグッズのアドバイス
つづいてベビーグッズに関するアドバイスをいただきました。
寒い国ドイツならではの必須ベビーグッズをご紹介します。
冬生まれの赤ちゃんは基本的にウール製のものを
Schlafsack
Schlafsackとは寝袋のことです。
ドイツでは生まれたての赤ちゃんにSchlafsackを着せて寝かせます(掛け布団はNG)。素材や形も様々な種類があり、月齢や季節によって使い分けます。
最初にKoekaの綿のSchlafsackを買いましたが、Hebamme的にこれはNG!冬用にBabyBoxでウール製を買い足しました(現在は品切れのためホームページには掲載されていませんでした)。
2代目冬用SchlafsackはWollefleeceのものにしました。肌触りも良く、ホームクリーニングをしても毛玉ができにくいので大変便利です。
靴下とぼうし
盲点だった靴下と帽子。
肌着やお洋服を一通りみてもらい、最後に「靴下と帽子は?」と聞かれました。帽子は室内とお散歩用に1つづつ、靴下に関しては足付きのズボンと靴下は数枚買い足しました。
Wärme Lampe
Wärme Lampeとはヒートランプのことで、Wickeltisch(オムツ替え台)と一緒に設置するものです。産院のWindelraum(オムツ替えルーム)やKinderarztの診察ベッドの上に必ず設置してあります。スイッチを押すとすぐに暖かくなるので体温調整ができない新生児時期はマストとのこと(これに関しては中古でも良いから必ず買うようにと念を押されました)。おむつを替えるとき以外も、マッサージをしたり、お洋服を着させる時などにも使えて便利です。
筆者の印象では、ドイツはWickeltischでおむつを変えるのがスタンダードです。日本のように柵が上下に開閉できるベッドがないため、ベビーベッドでオムツ替えはしません(新生児の時に両親のベッドの横に設置するBeistellbettは柵が開きますが、ベッド自体が小ぶりのため長く使えません)。場所を取りますが、個人的にWickeltischとWärmelampeは買ってよかったもの上位に入ります。おむつを替えるときに腰への負担が少なく、台の下が収納になっているのでとても便利です。
Wickeltischは引き出し付きの台から壁に設置するものなど様々なタイプがあります。
reerのWärmelampeはアマゾンでも買えます。
筆者が購入したWickeltischはこちらです。安全ベルトは動き回るようになってから重宝しています。
今日のドイツ語
-e, Hebamme | 助産師 |
schrotten | 砕く |
-e, erste Milch | 初乳 |
-e, Haut | 肌 |
-e, Wolle | ウール |
warm | 暖かい |
-r, Wickeltisch | オムツ替え台 |
-r ,Windelraum | オムツ替えルーム |
いかがでしたでしょうか?
本日もご愛読、ありがとうございました。
過去の健診内容は下記ブログでご紹介しています。もしよろしければご覧ください。
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