ペットパスポートとワクチンパスポートの違い〜我が家は愛猫が先だった!〜

ペットパスポートとワクチンパスポートの違い〜我が家は愛猫が先だった!〜
目次

「ペットパスポート・ワクチンパスポート」とは?EU圏内でペットと旅行する、または日本へ連れて帰るときに必須のペットパスポート。今回はペットパスポートとワクチンパスポートの違いや、ドイツ国内での発行方法をご紹介します。

みなさま、こんにちは。フォトグラファーのYuko.N.Sです。
本日のテーマは“ペットパスポートとワクチンパスポートの違い〜我が家は愛猫が先だった!〜”です。

我が家でワクチンパスポートと言えば、猫用が一般的で、コロナになってから人間もワクチンパスポートが存在していることを知りました(笑)。日本にはなかなか馴染みのないワクチンパスポート / ペットパスポートについて、今回はご紹介していきたいと思います。在独日本人の方で、ペット(犬、猫、フェレット)と共に完全帰国をされるご予定のある方はペットパスポートが必須になります。さらに間隔を開けて狂犬病のワクチンを2回接種しなければならない、など決まりもあるので、早めにペットパスポートのご準備をすることをおすすめします。

Impfausweis (ワクチンパスポート) / EU Heimtierausweis (ペットパスポート)とは?

Impfausweis (ワクチンパスポート) / EU Heimtierausweis (ペットパスポート)の違いをご説明します。

Impfausweis (ワクチンパスポート)

ドイツではほぼ全ての犬、猫のペットたちはワクチンパスポートを持っています。このワクチンパスポートは子犬、または子猫のときに初めてワクチンを接種した際に、Tierarzt(動物病院 / 獣医さん)から無料でもらえます。ワクチンパスポートには、ペットの名前・性別・種類・誕生日などペット情報を飼い主が記載する欄と、ワクチン接種に関する情報をTierartztが記載する欄と分かれています。何のワクチンを打ったか / 接種日 / ワクチンの有効期限の情報が記載されています。有効期限が切れる2週間前あたりに、電話で次のワクチン接種の予約を取るのがベター。

ドイツでは基本的に診察カードや病院が発行するカードはありませんので、Tierarztにペットを連れて行く時はワクチンパスポートも一緒に持っていきます。なお、このワクチンパスポートはドイツ国内でのみ有効です。

EU Heimtierausweis (ペットパスポート)

ペットを連れて旅行へ行く人が多いドイツ。もしペットと国境を超えて旅行へいきたい場合は、EU Heimtierausweis (ペットパスポート)が必要です。Tierartztで申請することができます。ペットパスポートを申請すると、個体情報が入っているマイクロチップの埋め込みと、狂犬病ワクチンの接種がセットになります。旅行へは連れて行かない、家猫だから必要ない、と思われる方もいらっしゃると思います。ここでペットパスポートのメリットをご紹介します。

メリット① 脱走してしまった際に有効

いくら普段注意していても、脱走してしまうリスクがありますよね。ペットパスポート申請の際に埋め込まれたマイクロチップがあれば、保護されたときに猫と飼い主情報が分かるので安心です。

メリット② 在独日本人には重要!!日本へ完全帰国する際に必須

海外で生活している以上、いつかは完全帰国をする可能性がある、と筆者は常日頃考えています。

日本の動物検疫所のHPをみると、日本へ動物を連れて行く際、マイクロチップが埋め込まれていることが必須条件となっています。また、マイクロチップの種類も「国際標準規格(ISO)11784及び11785に適合するマイクロチップ」と決まっているので、 ペットパスポートを申請する際は上記のマイクロチップを扱っているか、かかりつけのTierarztに必ず確認しましょう。

私たちのTierartztではVirbac社のマイクロチップを扱っていました。このマイクロチップのパッケージにはISO規格の表記がありませんが、Virbac社のHPを確認すると「Our BackHome microchips are ISO 11784 and ISO 11785 compliant and can be read by scanners worldwide.」(当社のBackHomeマイクロチップは、ISO 11784およびISO 11785に準拠しており、世界中のスキャナーで読み取ることができます。)と書いてあるので問題なさそうです。

詳しくは動物検疫所のHPをご覧ください。

ちなみに、このペットパスポートはワクチンパスポートのGelbausweis(イエローパスポート)に対して、通称Blauausweis(ブルーパスポート)と呼ばれています。人間のブルーカードの申請、取得はすごく難しいのに、愛猫たちは簡単にブルーパスを取得できて羨ましい限りです、、、。

ペットパスポートの申請方法とお値段

申請方法

すでにご説明しましたが、ペットパスポートはTierarztで申請ができます。

避妊・去勢手術時に一緒に処置するのが一般的です。避妊・去勢手術の予約をする際に「Ich möchte mich zum ein Heimtierausweis anmelden」(ペットパスポートの申込をしたいです。)と伝えましょう。ISO 11784およびISO 11785のマイクロチップを扱っているかを聞くこともお忘れなく!!

お値段

私たちが通っているTierartztでは、避妊手術とパスポートの申請 (チップや狂犬病ワクチン等その他の処置を含め)を合わせておよそ310€でした。

パスポートの申請だけでしたら、だいたい90〜100€ほどです。処置代は病院によって異なるので、あくまで目安で考えていただけたらと思います。

私たちが通っているTierartztはこちらです。ロシア系の親子が営むTierartzでとても親切に対応してくます。しかも他のTierartztよりお安いと評判のようです!お近くに住んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度行ってみてください。

ワクチンパスポート / ペットパスポートの中をみてみましょう!

ワクチンパスポートの中は?

コモくんが持っているワクチンパスポートから、早速見てみましょう!
(コモくんの去勢手術は10月の予定)

Ⅰ. Besitzer (飼い主の情報)

この欄は飼い主が記入します。ブリーダーさんによっては、すでに書かれている方もいらっしゃるので、その場合は空いている欄に記入します。

上から1 Name (名字) / 2 Vorname (名前) / 3 Anschtift (住所) / 4 Postleitzahl (郵便番号) 5 Ort (都市) / 6 Land (国)を書いていきましょう。

Ⅱ. Beschreibung der Tieres (ペットの説明)

この欄も飼い主がペットの情報を記入します。ここを記入せずにTierarztに持って行くとその場で書かされるケースが多いので、必ず書いてください。

上から、1 Name (名前) / 2 Art (動物の種類) / 3 Rasse (血統) / 4 Geschlecht (性別) / 5 Geburtsdatum (誕生日)、6 Haarkleid (毛の色)です。隣ページの「Ⅲ. Kennzeichnung des Tieres」(動物の識別)は該当する項目がなかったので記入していません。

Ⅶ.Sonstige Impfungen gegen….(その他の予防接種について….)

この欄は、狂犬病ワクチン以外でこれまで受けた予防接種の情報をTierarztが記入します。

左から、予防接種のメーカーと型番が記載されているシール / ワクチン接種日と有効期限 / 予防接種をした病院と先生のサインが記載されています。

他にもページはありますが、何も記載されていないのでここでは割愛させていただきます。

ペットパスポートの中は?

アリアちゃんと雨ちゃんは避妊手術を受けた際に、ペットパスポートを申請しました。基本的にペットパスポートは全てTierarztが記載するため、飼い主が記載するところはほとんどありません。
こちらも早速みてみましょう。

Ⅰ. Angeben zum Besitzer(飼い主の情報提示)

この欄には、ワクチンパスポートと同様に1 Name (名字) / 2 Vorname (名前) / 3 Anschtift (住所) / 4 Postleitzahl (郵便番号) 5 Ort (都市) / 6 Land (国)が記載されています。

受け取り時に間違えがなければ、ここにサインをします。

Ⅱ. Beschreibung der Tieres (ペットの説明)

この欄にペットの情報を記載されています。

写真にはTierarztの割印が押してあってパスポート感が出てますね!

Ⅲ. Kennzeichnung des Tieres (動物の識別) / Ⅳ. Ausstellung des Ausweises (ワクチンパスポートの発行者)

この欄には埋め込まれたマイクロチップの情報が記載されています。

上から、マイクロチップのバーコード / ナンバー / マイクロチップを埋め込んだ日 / マイクロチップが埋め込まれた場所が記載されています。アリアちゃんの場合は「Linke Halsseite」(後ろの左側の首)にマイクロチップが入っているようです。

右のページには、ワクチンパスポートを作ったTierarztの情報が記載されています。

Ⅴ. Tollwutimpfung (狂犬病予防接種)

ワクチンパスポートには今まで記載されたことのない欄に何やら記入さてます!狂犬病ワクチンの接種歴です。日本へ連れて帰る時は2回以上の狂犬病ワクチンの接種が義務付けられています。詳細は動物検疫所のHPでご確認ください。

Ⅹ. Sonstige Impfungen (その他の予防接種)

この欄は、ワクチンパスポートと同様に狂犬病ワクチン以外でこれまで受けた予防接種の情報が記載さています。

ペットパスポートを申請する際にワクチンパスポートをTierarztに渡すので、これまでの接種歴をペットパスポートに引き継いでくれます。

左から、予防接種のメーカーと型番が記載されているシール / ワクチン接種日と有効期限 / 予防接種をした病院と先生のサインが記載されています。

他にもページはありますが、何も記載されていないのでここでは割愛させていただきます。

今日のドイツ語

-e, Impfung(-en)予防接種、ワクチン注射
-r, Ausweis(-e)証明書
-s, Heimtier(-e)ペット
-s, Gelb(-s)黄色
-r , Besitzer(-)オーナー、所有者
-e, Beschreibung(-en)説明
-e, Kennzeichnung (-en)識別
-e, Tollwut(-)狂犬病
sonstigeその他の
mich zu / für an|melden申請する

いかがでしたでしょうか?
次回の「Katzen / ネコ」カテゴリーもぜひご期待ください。 
本日もご愛読、ありがとうございました。

アリアちゃん「これで私たちも旅行へいけるにゃー!コモくんはお留守番にゃね」